みなさんが普段口にしている食品の多くに、「食品添加物」は使用されています。
たとえば、ハムには発色剤として「亜硝酸ナトリウム」、ジュースには人工甘味料の「アスパルテーム」が使われることがあります。
食品添加物にはそれぞれ役割があります。見た目や風味を良くしたり、保存性を高めたりと、製造者・消費者の双方にメリットがあります。
一方で、「摂りすぎると危険」「健康に悪い」といったイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
この記事では、食品添加物の安全性について、科学的な根拠とともにわかりやすく解説します。
食品を選ぶときの参考になれば幸いです。
添加物はなぜ「危険」と言われるのか
「食品添加物ってなんとなく怖い」──その気持ちはよくわかります。
特に小さな子どもがいると、知らない添加物が書かれている食品を見て「これは避けようかな」と思うのも自然なことです。
危険視されやすいのは、次のような特徴を持つものです。
- 化学物質名で書かれている
- 人工的・合成的な印象がある
- 「発がん性がある」と聞いたことがある
実際には科学的な根拠が弱い情報も多いのですが、SNSなどで「○○は危険!」という断定的な言葉が広まることで、不安が一気に拡散してしまうのです。
食品添加物の種類を知ろう
食品添加物は大きく分けて、次の4つの分類があります。
- 指定添加物
厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定したもの。
使用できる物質・用途・量がリストで厳しく管理されています。 - 既存添加物
長年使用されてきた実績があり、安全性に問題がないと認められたもの。
伝統的な食品などに多く使われています。 - 天然香料
動植物から得られる香料(例:緑茶香料、バニラ香料など)。
天然由来ですが、使用には基準があります。 - 一般飲食物添加物
食品を添加物として使うもの。
例:サフラン(ライスを黄色く染める)、寒天など。
食品添加物の安全性はどう決まる?
いくら「国が認めた」と言われても、なぜ安全なのかが気になりますよね。
その根拠となるのが「ADI(許容一日摂取量)」という考え方です。
ADIとは?
ADI(Acceptable Daily Intake)とは、
「人が生涯にわたって毎日摂取しても健康に悪影響がないとされる量」のこと。
動物実験で得られた安全な量を100分の1にして設定されており、非常に厳しい基準です。
仮に1日でADIを超える量を摂取したとしても、それが毎日続かない限り問題はありません。
つまり、日本で使用される添加物は「生涯食べ続けても安全」と判断されたものなのです。
天然=安全、合成=危険?その思い込みに注意
「天然のものは安全」「化学合成品は危険」と思っていませんか?
実は、天然物にも有害なものはたくさんあります。
たとえば──
- 銀杏には「メチルピリドキシン」という成分があり、大量摂取すると中毒を起こすことがあります。
- 白インゲン豆を加熱不十分で食べたことで、「レクチン」という成分による食中毒が起きた事例もあります。
一方で、食品添加物は用途・使用量が法令で厳格に定められています。
「天然=安心」「人工=危険」という単純な区別ではなく、どんな成分を、どれくらい摂るかが大切なのです。
食品添加物と上手に付き合うためのポイント
- 表示を見て、どんな目的で使われているかを意識してみる
- 不安に感じる添加物は、避けたいと思えば避けてもOK
- ただし、気にしすぎるとストレスにも。完璧を目指さない
忙しい毎日の中で、加工食品は欠かせません。
大切なのは知って選ぶこと。
食品表示を味方につけて、自分や家族が安心できる食生活を整えていきましょう。
まとめ
- 日本で使われる食品添加物は、厳しい安全基準をクリアしたものだけ
- 天然だから安全とは限らない
- 食品添加物は「避けるべき敵」ではなく、「上手に付き合う存在」
完璧を求めすぎず、知って選ぶことで安心につなげていきましょう。


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